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日本でスマートシティーも

 目標達成に向けた布石は既に打ってある。19年2月、BDPがカナダの設計事務所Quadrangle Architects(クアドラングル アーキテクツ)の株式49%を26億円で取得することで合意したのだ。

 これによってBDPグループは1200人規模の大所帯になった。「ブレグジット(英国のEU離脱)などに備え、BDPが英国以外で稼げる体制にしていく意味もある」(日本工営の下條副事業部長)

 現状では、都市空間事業の売上高の大半をBDPの売り上げが占めるものの、日本工営が買収の目的の1つに挙げた土木と建築のワンストップサービスも、アジアを中心に徐々に実績が増えてきている。大規模な土地の造成を伴う不動産開発事業や、TOD(公共交通指向型開発)のマスタープラン作成などだ。

 19年7月末には、シンガポールで開催されたTODに関する国際会議に共同で参加した。今後もさらに連携を深めて、受注につなげていくつもりだ〔写真2〕。

〔写真2〕組織の融和を進める
〔写真2〕組織の融和を進める
BDPのダブリン事務所で実施した日本工営職員のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)研修で、工事現場を見学した際の様子(写真:日本工営)
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 日本工営の下條副事業部長は、「今後は日本でも、土木と建築を融合させてスマートシティー事業を展開できないかと考えている。さらには、国内で培ったノウハウを、海外展開に活用したい。そのための体制づくりを進めている」と明かす。

 建築の「お隣り」の土木分野から突如として現れた強力な伏兵は、国内の設計事務所の勢力図にも影響を与えるかもしれない。