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建設会社の2018年度決算は、売上高・受注高ともに好調だった。首都圏の再開発事業を中心に、五輪後も堅調な業績を見込めるとの見方が多い。好業績を背景に、各社は研究開発への投資を急増させている。

 建設会社の2018年度決算(単体)は、前期に続いて極めて好調だった。建築の売上高では、日経アーキテクチュアの調査に回答した企業の6割が増収を果たした。用途別では、20年の東京五輪をめがけて建設が進む宿泊施設の伸びが際立った〔図1〕。業績の先行指標である建築の受注も好調だ。回答企業の7割が前期より受注高を伸ばした(「建設会社2018年度決算ランキング」参照)。

〔図1〕建物用途別の売上高では宿泊施設の伸びが際立つ
〔図1〕建物用途別の売上高では宿泊施設の伸びが際立つ
(資料:日経アーキテクチュア)
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日経アーキテクチュアの調査に用途別の売上高・受注高を回答した建設会社について、18年度と17年度それぞれの合計金額を比較して増減率を算出した。調査概要は「建設会社2018年度決算ランキング」を参照

 売上高を23.3%、受注高を27.1%も伸ばしたのが鹿島。同社の茅野毅執行役員は、「手持ちの大型工事の消化が順調に進んだ。虎ノ門1・2丁目地区の再開発事業を受注できたのが大きかった」と説明する。

 建築工事の採算性を示す完成工事総利益率(粗利率)は、回答企業の平均が11.3%だった。大手5社は11.6~12.6%。5社とも前期からやや低下したものの、5年前は数パーセント台で低迷していたことを考えると、依然として高い水準だ〔図2〕。

〔図2〕大手5社の粗利率はやや低下
〔図2〕大手5社の粗利率はやや低下
大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店の建築の完成工事総利益率(粗利率)を示した(資料:日経アーキテクチュア)
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 清水建設の今木繁行副社長は、「思ったほど物価が高騰しなかったこともあり、前期よりは下がったものの高い粗利率を確保できた」と話す。

虎ノ門・麻布台地区の再開発事業の完成イメージ。清水建設は高さ330mの超高層ビルの受注に向けて、地下工法やコンクリートの圧送、外装材などに関して技術開発を進めた(資料:森ビル)
虎ノ門・麻布台地区の再開発事業の完成イメージ。清水建設は高さ330mの超高層ビルの受注に向けて、地下工法やコンクリートの圧送、外装材などに関して技術開発を進めた(資料:森ビル)
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今木 繁行(いまき としゆき)
今木 繁行(いまき としゆき)
清水建設代表取締役副社長 建築総本部長(写真:日経アーキテクチュア)