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建築分野のデジタル活用(デジカツ)を伝える連載を、ウェブ媒体「日経クロステック」に掲載している。リポーターは川又英紀デスク。2020年秋にいち早く、岩が隆起してできたような石の建築「角川武蔵野ミュージアム」の施工の裏側を紹介した。

■「ちょい読み」版とは
日経クロステック有料会員向けの連載「川又Dが行く!建築デジカツ最前線」の一部を日経アーキテクチュア読者向けにお届けするのが「ちょい読み」版だ。日経クロステックでは、詳細な情報をスピーディーに提供中

 埼玉県所沢市に出現した巨大な石の塊。2020年11月にグランドオープンした石の建築「角川武蔵野ミュージアム」である。角川文化振興財団が建てた美術館で、デザイン監修したのは隈研吾建築都市設計事務所だ。

 外観は一枚岩のように見えるが、実は約2万枚の石板を張り合わせている。石板のパズルだ。では、石板の内側はどうなっているのか。隈研吾氏のデザインを踏まえ、建物を設計・施工した鹿島に尋ねた。すると複雑なBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用が判明した。

 構造は鉄骨鉄筋コンクリート造を主体とし、その外側に鉄筋コンクリート造の外壁を設け、石材をはめた。

 石の建築は、鹿島が経験したことのない多面体をしている。多面体を「解く」には、自由に視点を変えられるBIMによる3D設計が不可欠だった。