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建築分野のデジタル活用(デジカツ)を伝える連載を、ウェブ媒体「日経クロステック」に掲載している。リポーターは川又英紀デスク。第73回は、AI(人工知能)で物流施設の設計を自動化するという世界的にも珍しい取り組みを紹介した。

■「ちょい読み」版とは
日経クロステック有料会員向けの連載「川又Dが行く!建築デジカツ最前線」の一部を日経アーキテクチュア読者向けにお届けするのが「ちょい読み」版だ。日経クロステックでは、詳細な情報をスピーディーに提供中

 AIで建築設計は自動化できるか。日鉄エンジニアリング(東京都品川区)とRidge-i(東京都千代田区)、noiz(東京都目黒区)の3社は、物流施設を効率的かつ最適に設計するためのAI研究を開始。2021年3月末に「物流施設平面自動設計ツール(ALPS)」の最初の開発を完了した。

 日鉄エンジニアリングは物流施設の設計・施工、Ridge-iはAIの開発、noizはコンピュテーショナルデザインで多くの実績を持つ。

 ALPSに敷地形状や車路、駐車場領域などを入力すると、物流施設の平面プランが複数生成される〔写真1〕。それらを参考に、設計者は機能性やコストなどを比較して企画案を幾つか選び、顧客に提案。方向性の合意を得て、基本設計に進む。

〔写真1〕自動設計した結果を参考に
〔写真1〕自動設計した結果を参考に
「物流施設平面自動設計ツール(ALPS)」を試行する日鉄エンジニアリングの設計者(写真:日鉄エンジニアリング)
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 「経験が浅い設計者でも平面プランの企画段階で検討の抜け・漏れが減る。手戻りが少なく最適なプランに行き着く確率が高まる」(日鉄エンジニアリング建築本部設計技術部建築設計室の大塚崇之マネージャ)

 自動設計のターゲットを物流施設にしたのは、2つの理由がある。1つは、建築設計に必要な入力情報や制約条件が初期段階でかなり明確であること。もう1つは、物流が成長の見込める建築市場であることだ。