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建築分野のデジタル活用(デジカツ)を伝える連載を、ウェブ媒体「日経クロステック」に毎週掲載している。リポーターは日経アーキテクチュア・川又英紀デスク。第50回は、東京・竹芝に9月に誕生した「スマートビル」で利便性向上を狙うセンサー活用を紹介した。

■「ちょい読み」版とは
日経クロステック有料会員向けの連載「川又Dが行く!建築デジカツ最前線」の一部を日経アーキテクチュア読者向けにお届けするのが「ちょい読み」版だ。日経クロステックでは、詳細な情報をスピーディーに提供中

 東京都港区の新街区「東京ポートシティ竹芝」は、東急不動産と鹿島が共同開発した巨大プロジェクトだ。「スマートビル」を標榜するオフィスタワーは、地下2階・地上40階建て。オフィスフロアには、ソフトバンクグループとその傘下企業が入居した。

 館内には合計で約1300個のセンサーやカメラ、ビーコンなどを設置〔写真1、2〕。「建物丸ごとセンシング」を実現し、リアルタイムデータをクラウドの「Smart City Platform(スマートシティー・プラットフォーム」に集約し、混雑回避や利便性向上、テナントの販促などに役立てる〔図1〕。

〔写真1〕多種多様なセンサーを設置
〔写真1〕多種多様なセンサーを設置
館内にはセンサーやカメラが至るところにある(写真:日経アーキテクチュア)
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〔写真2〕ソフトバンクグループとその傘下企業が入居するオフィスタワー
〔写真2〕ソフトバンクグループとその傘下企業が入居するオフィスタワー
最先端の「スマートビル」を標榜(写真:東急不動産、鹿島)
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〔図1〕スマートシティーの基盤を模索
〔図1〕スマートシティーの基盤を模索
収集したリアルタイムデータは、クラウドの「Smart City Platform(スマートシティー・プラットフォーム)」に集約する(資料:東急不動産)
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 東急不動産とソフトバンクはSmart City Platformの運用ノウハウを蓄積し、竹芝エリア全域に展開することを狙う。リアルタイムデータの流通プラットフォームを意味する「都市OS」のベースにしたい考えだ。

3分の1がトイレの開閉センサー

 センサー類のうち、3分の1以上を占めるのがトイレの個室に付けられた、ドアの開閉センサーである。これで空き状況が分かる。人流センサーもあちこちにある。オフィスロビーやエレベーターホールの混雑を把握するためだ。ロビーの入館ゲートには、顔認証カメラを配備。従業員一人ひとりの顔を識別し、登録された顔と一致すればゲートが開く。同時に検温をする。顔から従業員が働くフロアを特定し、エレベーターが混まないように人を分散させるため、ゲートにエレベーター番号を示して誘導する。

 店舗の入り口には、来店客数をカウントするセンサーがある。通過人数と座席数を比較すれば、レストランの空きを割り出せる。館内のごみ箱には、上ぶたの裏側に超音波センサーまで付いている。ごみがたまると清掃員に回収を知らせる。