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竣工から10年。庭のような開放感を持つ共用の土間空間は、アーティストの拠点となる“アトリエ広場”から、地域交流の場へと移行してきた。入居者の想像力から生まれる多様性を、大らかな共用部が受け止めている。

 「使い手の想像力は、設計者の想定を軽々と超える」。オンデザインパートナーズ(横浜市中区、以下オンデザイン)の西田司代表は、自身の代表作とも言える「ヨコハマアパートメント」のこれまでを振り返り、そう語る。同アパートは2009年8月に竣工。まる10年がたった。

 西田代表が「想定を超える」と話すのは、半屋外の1階土間の使い方だ〔写真1〕。キッチンを設置したこの場所はクリエーティブ職が多い入居者たちの共用空間で、イベント会場にもなる。「展示会や食事会が催されることは設計時から想定していたが、書き初めや流しそうめんまで開催されるとは、思ってもみなかった」と西田代表。自身も竣工後の約1年間、家族3人で同アパートに住んでいた。

〔写真1〕交流を育む半屋外の土間空間
〔写真1〕交流を育む半屋外の土間空間
共用の1階土間。天井高は約4.9m、広さは57.35m2。階段は居室ごとに設けてあり、踊り場の高さがそれぞれ異なる。右手のドアは共用トイレ、その奥のドアは共同で使うキッチン用品などを収納する倉庫(写真:安川 千秋)
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 日常的には、入居者たちが料理や食事をしたり、ベンチで昼寝をしたりする。入居者それぞれが、思い思いに使いこなす。