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オーナー所有の里山や住居も含めて、使い方は入居者の自主性に委ねる。作り手側の想定した交流を押し付けるのではなく、あくまでも自然体を目指した。活気の浮き沈みを受け入れながら緩やかな継続性を見据える。

 2015年春に完成したtetto(テット)(川崎市)は、同年度のグッドデザイン賞ベスト100に選ばれた木造賃貸集合住宅だ〔写真1〕。企画をプリズミック(東京都港区)が、設計をSALHAUS(東京都千代田区)が手掛けた。賃貸運営はプリズミックが担う。

〔写真1〕公私の境を曖昧に
〔写真1〕公私の境を曖昧に
専用庭や花壇など、外構部分の公私を曖昧にして居住者の交流を促す設計に。「既製品や大工がつくれるディテールを採用して工費を抑えた」とSALHAUSの安原幹氏(写真:安川 千秋)
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配置図
配置図
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 敷地はオーナーが所有する里山に隣接する。広場を囲んで向かい合う北棟にメゾネット7戸、南棟にオーナー住戸を含む2戸が入る。

 賃貸住戸は45m2と55m2で、入居者は30代から40代の夫婦と単身者が中心。賃料は管理費込みで月額9万円代から10万円代。周辺の鉄筋コンクリート造賃貸住宅の相場に近いという。

 「竣工後の4年で入れ替わった入居者は約5割。定着率は高いほうだ。空室もすぐに埋まり、競争力を維持している」(プリズミックアセットマネジメントグループの黒岡哲平氏)。特別な広報をしているわけではないが、「一見して、普通の賃貸住宅と違うことは明らか」と黒岡氏は話す。