「日本版CCRC」の先行例として注目を集めた「Share(シェア)金沢」。障害者も含めた多世代が「ごちゃ混ぜ」になって共生する。街開きから5年の間で住民が入れ替わるなどし、次のフェーズに向けた転換期を迎えている。
金沢駅から車で約20分、市南東部の郊外にシェア金沢はある〔写真1〕。高齢者や障害を持つ児童、大学生などが刺激を与え合いながら暮らす小さな街だ。約3万6000m2の敷地内に、住宅や交流拠点など計25棟の木造低層施設が立ち並ぶ。

「生涯活躍のまち(日本版CCRC=Continuing Care Retirement Community)」の推進のため、政府が最終報告書をまとめたのが2015年。「ごちゃ混ぜ」を合言葉に14年3月、街開きしたシェア金沢は、日本版CCRCの先行例として知られる。
事業主で運営も担うのが、社会福祉法人の佛子園(ぶっしえん)(石川県白山市)。設計は、金沢市の五井(ごい)建築研究所が手掛けた。土地取得を含め建設に充てた総事業費は約20億円だ。