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計測作業を少ない人手で

 測量やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)によるモデル作成、解析、点検業務などではIoT(モノのインターネット)を使って、作業の効率化や精度向上を図る製品も出てきた。

 ライカジオシステムズの3次元(3D)レーザースキャナーは、三脚の上に固定した本体が水平方向に360度回転するとともに、本体の反射鏡が上下方向に動いて、全方位にレーザーを照射。対象物までの距離や3次元の座標情報を計測する。膨大な点群データを得られるので、対象物の形状を細部まで立体的に把握できる。

 計測範囲は機種で異なり、数十メートルから1km程度。建設現場での測量や、工場やビルの配管・設備の現況記録、文化財や遺跡の記録などに使える〔写真5〕。対象物側に人を配置する必要がないので、省人化や高所作業リスクの回避にも有効だ。機種は、重さが約1kgの小型タイプ「Leica BLK360」の他、用途に応じて数製品をラインアップしている。

〔写真5〕全方位にレーザー照射
〔写真5〕全方位にレーザー照射
3Dレーザースキャナー「Leica BLK360」(右上)の導入状況。左は重要文化財「京都文化博物館」をスキャンしている様子。右下は取得した点群データを専用ソフトで画像処理しているところ(写真:ライカジオシステムズ)
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ZEH仕様の住宅検討が簡単に

 住宅設計では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の仕様検討を支援する建築用の3DCADが登場した。シーピーユーの「エース Ver.2」である。

 日本建材・住宅設備産業協会の資料「ZEHのつくり方」の中から、「地域別ZEH基準適合仕様例」を収録しているのが特徴だ。

 建設地の該当地域で絞り込み検索をすれば、断熱材仕様や熱貫流率などをCADが自動で選択。外皮性能を計算してくれるので、迷うことがない〔図1〕。

 ZEHの自社仕様を定めていない中小規模の工務店でも、建設地の基準に合うZEH仕様を簡単に検討できる。価格(税別)は50万円から。

〔図1〕ZEH仕様の検討が容易に
「エースVer.2」の外皮性能計算機能の実行例。住宅プランなどの入力情報から算出した、外皮の熱性能の計算結果(資料:シーピーユー)
「エースVer.2」の外皮性能計算機能の実行例。住宅プランなどの入力情報から算出した、外皮の熱性能の計算結果(資料:シーピーユー)
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計算結果を基に省エネ性能を判定し、建て主に説明するための評価シート(資料:シーピーユー)
計算結果を基に省エネ性能を判定し、建て主に説明するための評価シート(資料:シーピーユー)
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ドローンで簡単に屋根を点検

 手間がかかるうえに、作業者の危険が伴う屋根外装の点検業務。CLUEは、ドローンで屋根の点検ができるサービス「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を、屋根事業者や工務店などに提供し始めた。

 iPadに入れたアプリでドローンを操縦し、屋根の状態を高解像度で写真撮影する。

 画像をiPadに転送し、その場で屋根の状況を確認したり、写真を見せながら建て主に状態を説明したりできる〔写真6〕。

〔写真6〕人が屋根に登らず、ドローンが点検
自動操縦のドローンで屋根の高精細写真を撮影し、iPadに転送する。その場で画像を確認したり、建て主に説明したりできる。従来の屋根点検に比べて、作業時間を平均で7割弱短縮できる。点検スタッフの安全も確保しやすい(写真:CLUE)
自動操縦のドローンで屋根の高精細写真を撮影し、iPadに転送する。その場で画像を確認したり、建て主に説明したりできる。従来の屋根点検に比べて、作業時間を平均で7割弱短縮できる。点検スタッフの安全も確保しやすい(写真:CLUE)
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「DroneRoofer」による屋根点検の様子(写真:CLUE)
「DroneRoofer」による屋根点検の様子(写真:CLUE)
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 点検時間は通常の住宅屋根なら、作業者が1人でも5~15分程度だ。30分以上はかかる目視点検に比べると、作業時間を大幅に短縮できる。労災事故リスクもなくせる。

 このサービスは、ドローンの機体とiPad、機器の設定や飛行許可の申請代行、ドローン保険の提供などをパッケージ販売するものだ。料金は、初期導入費と月額利用料が必要。

 実際の料金や導入費などは問い合わせが必要になる。