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解体された村野藤吾設計の大阪新歌舞伎座が、新築された超高層ホテルの低層部に再現された。設計を手掛けた隈研吾氏は、「連続唐破風」に象徴される村野流モダニズムの意匠の忠実な再現を目指した。

 2019年12月1日、大阪・難波にホテルロイヤルクラシック大阪難波が開業した。地下2階・地上19階建ての建物に150室の客室をはじめ、結婚式場、バンケットホール、チャペル、レストランなどが入る。

 この建物の特徴は、御堂筋に面した外観だ。現代的なアルミルーバーの高層部に対して、低層部は伝統的かつ幻想的な趣を見せる〔写真1~3〕。その外装は、15年までこの敷地にあった「新歌舞伎座」のそれを再現したものだ。「解体前の建物の3Dスキャンデータなどをもとに、できるだけ忠実に再現した」。建て替えたホテルを設計した隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)主宰の隈研吾氏はそう説明する。

〔写真1〕消えた大阪新歌舞伎座がよみがえる
〔写真1〕消えた大阪新歌舞伎座がよみがえる
御堂筋に面した正面全景。地上19階建てのホテルの下層階に、解体された「新歌舞伎座」のファサードが再現されている(写真:生田 将人)
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〔写真2〕破風屋根の中はチャペル
〔写真2〕破風屋根の中はチャペル
再現された破風屋根がガラスのカーテンウオールから突き出している。破風屋根の内側にはチャペルがある(次ページ参照)(写真:生田 将人)
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〔写真3〕9連4層の連続唐破風を再現
〔写真3〕9連4層の連続唐破風を再現
御堂筋沿いに再現された低層部。新歌舞伎座に独特の意匠だった「連続唐破風」はプレキャストコンクリートで再現した。道路沿いの1階にはホテルのエントランスやカフェ、地下鉄入り口などがある(写真:生田 将人)
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