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建築士制度の見直しによって、2020年からは大学卒業後すぐに一級建築士試験を受験できるようになった。さらに、学科試験合格の有効期間が3年から5年に延長され、受験機会も大きく広がった。

 できるだけ早く一級建築士試験を受験したいと考える学生にとっては朗報だ。新たな建築士制度では、大学を卒業してすぐに一級建築士試験を受験できるようになる〔図1〕。大学院在籍中に試験に合格するつわものも現れそうだ。二級建築士や建築設備士の資格所有者も、実務経験の有無を問わず受験できる。

〔図1〕一級建築士になるまでの新ルート
〔図1〕一級建築士になるまでの新ルート
上は大学卒業で受験資格を得た後、最速で一級建築士試験を受ける場合のスケジュール。下は受験資格要件と免許登録要件の一覧(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 改正建築士法には、日本建築士会連合会(士会連合会)、日本建築士事務所協会連合会(日事連)、日本建築家協会(JIA)の建築設計3会による提案が反映されている。3会は2018年6月に発表した共同提案の中で、「建築士としての業務が開始可能な状態となる前に一定の経験を積めばよく、受験前に実務経験を課す必要は必ずしもない」と説明。改正士法では、これまで受験資格の要件だった実務経験を免許登録要件に変更し、早期受験への道を開いた。

 改正前は、大学卒業後に就職して最速で受験する場合、就職して3年目の5月上旬までに実務経験の要件を満たなければ、受験申し込みができなかった。入社後の研修が1カ月を超える企業などでは、受験できるのが早くて4年目になってしまっていた。今後は、実務経験要件を満たすまで待つ必要がなくなるため、年に1回しかない受験機会を逃すケースが減る見込みだ。

 日事連前会長で安井建築設計事務所の佐野吉彦社長は、「建築士を目指す若者が、将来の見通しを立てやすくなれば、受験者数の増加につながる」と新制度に期待を寄せる。