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全国の主要5都市で、今後約10年間に予定されるビッグイベントと注目プロジェクトを時系列で並べた。開発のピークはエリアによって少しずつずれている。それぞれエリアの個性が強まっていく傾向も浮かび上がる。

 五輪が終われば大規模開発は影をひそめる──。そんな見方は、こと主要5都市に関しては杞憂(きゆう)に終わりそうだ。東京都心部では、2023年以降に虎ノ門や芝浦、渋谷などで大規模開発が続々と完成を迎える。大阪は25年ごろまで梅田や御堂筋周辺で、名古屋は栄地区を中心に27年ごろまで大規模な開発が相次ぐ。

 鉄道や空港などの更新に伴い、北海道や九州などの都市改造も勢いを増す。ホテルやMICE(会議・展示)施設、ボールパークなどの開業で国際化の流れが加速する。

 注目プロジェクトから浮かび上がる「2020年代の都市開発のキーワード」を7つにまとめた〔図1〕。変貌する都市に向き合うヒントにしてほしい。

〔図1〕五輪後も更新を続ける日本の都市
〔図1〕五輪後も更新を続ける日本の都市
調査の回答や、取材などを基に日経アーキテクチュアが作成した。※資料提供の特記がないプロジェクトは次記事以降に再掲(資料:三井不動産の公表資料、三菱地所、日本郵便、アパグループの公表資料、竹中工務店、名古屋鉄道の公表資料、写真:大山 顕、日経アーキテクチュア)
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「7つのキーワード」は、<b>〔図1〕</b>中に示した開発の他に、次記事以降で解説する案件からも抽出した
「7つのキーワード」は、〔図1〕中に示した開発の他に、次記事以降で解説する案件からも抽出した
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世界に類を見ない7000万人都市圏へ
岸井隆幸氏
岸井隆幸氏
(写真:日経アーキテクチュア)

 世界の人口のうち、約6割はアジアに住んでいる。これまでは中国の経済成長を見込み、グローバル企業はアジアの東側に拠点を置いてきた。今後はインドが台頭し、世界の注目は西に移行するだろう。そのとき極東にある日本は何ができるのか。

 鍵となるのがリニア中央新幹線だ。2027年に東京―名古屋間、37年に東京―大阪間の開通を目指して計画が進んでいる。完成すれば、3都市周辺の約7000万人が1時間余りで移動でき、世界に類を見ない巨大経済圏「スーパー・メガリージョン(大都市圏)」が誕生する。

 一方、地方都市はICTの発達で大きく変わるだろう。大都市を経由しなくても世界とダイレクトにやり取りできるようになるからだ。ただし、ライバルは海外の都市。街の個性を先鋭化させて、他の場所にはない文化や歴史に基づく魅力で人を呼び込むことが必要となる。

(日本大学特任教授・岸井隆幸談)