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夢洲(ゆめしま)での万博開催や統合型リゾート(IR)の計画に注目が集まる大阪。だが夢洲の開発は、大阪の都市構造を変える大きな波の1つにすぎない。「戦後最大」とも目される変革を先導するのは、梅田と御堂筋の刷新だ。

 「これまでの大阪の都市開発はどれも“点”で終わっていた。今回はそれとは違い、“面”として活性化する可能性が高い」。大阪の不動産事情に詳しいCBREリサーチの山口武アソシエイトディレクターはそう語る。

 2020年代の大阪の変貌は、3つの大きな波が互いに影響を与えながら進む。波の1つは「梅田」。JR大阪駅周辺の刷新だ。まずは写真1を見てほしい。新梅田シティに立つ梅田スカイビルから、「大阪最後の一等地」とも呼ばれる「うめきた2期地区」の敷地を見下ろしたものだ。左奥に並ぶ超高層4棟は、1期に当たる「グランフロント大阪」。13年4月に開業した。

24~28年 うめきた2期地区(民間提案街区)
都市公園と民間宅地を一体開発

〔写真1〕貨物ヤード跡地の基盤整備が進む
〔写真1〕貨物ヤード跡地の基盤整備が進む
梅田スカイビルから見た「うめきた2期地区」の敷地現況(2019年12月撮影)。三菱地所グループの提案書(18年5月)に示された建物のおよその位置を日経アーキテクチュアが書き加えた。現在、敷地の東側(写真奥)では、JR東海道線支線の地下化工事が進行中。JR大阪駅北西側に新駅(北梅田駅、仮称)が整備され、23年春には関空特急「はるか」などが新駅に発着する。新駅からJR難波駅や南海の新今宮駅まで、「なにわ筋線」を31年春に開業させる計画も進む(次ページ図4参照)(写真:日経アーキテクチュア)
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➊ 大阪市北区大深町 ➋ 三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発 ➌ ・ ➍ ・ ➎ ─ ➏ 24年夏ごろ(一部) ➐ S造一部RC・SRC造(北街区1、南街区1)、RC造一部S造(北2、南2) ➑ 地下2階・地上28階(北1)、地下2階・地上47階(北2)、地下3階・地上39階(南1)、地下2階・地上51階(南2) ➒ 14万6900m2(北)、37万4660m2(南)
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 2期の敷地は、1期の敷地(約7万m2)を上回る約17万m2。1期との大きな違いは、弓形の敷地の中央部に約4万5000m2の都市公園を設ける点だ。南北に分かれた民間宅地にも緑地が整備され、2期全体では約8万m2の緑が確保される〔図12〕。

〔図1〕「緑が少ない」大阪のイメージを払拭
〔図1〕「緑が少ない」大阪のイメージを払拭
うめきた2期のイメージパース。北街区と南街区の間に、歩行者用の立体通路などを備えた都市公園を整備する。都市公園には、1万人規模のイベントの開催が可能な「リフレクション広場」や、都心でも自然を感じることができる憩いの空間「うめきたの森」を整備する。パースや下の配置図は2018年5月の提案時点のもので、変更の可能性がある(資料:うめきた2期地区開発事業者)
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〔図2〕グランフロント大阪との回遊性を向上
〔図2〕グランフロント大阪との回遊性を向上
配置図。民間提案街区は、北街区1万5726m2と南街区3万429m2、都市公園4万5000m2の大きく3つに分けられる。グランフロント大阪やJR大阪駅と、うめきた2期地区をスムーズにつなげるための歩行者デッキを整備し、回遊性を向上させる(資料:うめきた2期地区開発事業者)
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 2期は24年夏に一部開業(街開き)を目指す。現在は都市再生機構(UR)が基盤整備中。20年9月以降、三菱地所を代表とするグループ(構成企業は写真1を参照)に敷地が順次引き渡され、同グループはここにオフィス、ホテル、商業施設、住宅など総延べ面積約52万m2のビル群を建設する。ターミナル駅至近の「職住近接」の街となる。