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長らく名古屋駅周辺の後じんを拝してきた栄地区の開発が活発になってきた。久屋大通公園の再整備を起爆剤に周辺のプロジェクトが動き出す。2027年のリニア開通に向け、名古屋駅周辺地区との相乗効果を目指す。

 名古屋市の繁華街である栄地区の開発が活発化する。1999年以降、急速に開発が進んだ名古屋駅周辺に比べ、既存ストックの更新が滞っていた。久屋大通公園の整備を皮切りに復権ののろしを上げる〔図12〕。

〔図1〕開発の中心が東へ移動
〔図1〕開発の中心が東へ移動
容積率緩和を活用した、あるいは活用を目指す主な大規模開発。名古屋駅周辺地区は17年のJRゲートタワーとグローバルゲートの竣工でひとまず打ち止め。開発の中心は東の伏見地区、そして栄地区へと移行している(資料:名古屋市の資料などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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〔図2〕20年以降は栄地区のプロジェクトが活性化
〔図2〕20年以降は栄地区のプロジェクトが活性化
20年3月、市有のバスターミナル跡地に、陸上のミニトラックを含むイベント広場や店舗を設ける暫定事業「ミツコシマエ ヒロバス」が開業。これを皮切りに開発が加速する。市は28年度に市内の観光総消費額4000億円を目指す(資料:名古屋市の資料などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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 2020年7月、Park-PFI(公募設置管理制度)と指定管理者制度を活用して再整備中の久屋大通公園北エリア・テレビ塔エリアが完成する〔図3〕。三井不動産などのグループが参画。両エリアを4ゾーンに分けて約1万m2の広場公園と、延べ面積約7400m2の収益施設24棟を設ける。

■20年 久屋大通公園整備運営事業(北・テレビ塔エリア)

〔図3〕Park-PFIと指定管理者制度を活用
〔図3〕Park-PFIと指定管理者制度を活用
三井不動産と大成建設、日建設計、岩間造園の4社グループが整備、運営を担う。樹木を管理しつつ、既存の公園内施設を移設、撤去して合計約1万m2の広場を整備する
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➊ 名古屋市中区錦3丁目他 ➋ 三井不動産 ➌ 大成建設(公園部分:日建設計・大成建設JV) ➍ 大成建設 ➎ 20年6月 ➏ 20年7月 ➐ S造 ➑ 地上2階 ➒ 7500m2
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 地域のシンボルとして親しまれてきた名古屋テレビ塔も、公園と同時にリニューアル開業する〔図4〕。30億円を投資して飲食施設やホテルを設置する予定だ。南エリアについては、市が有識者懇談会を設立して再整備の方向性を検討中。懇談会は19年11月に中間骨子案を発表した。

■20年 名古屋テレビ塔全体改修工事

〔図4〕街のシンボルを再生
〔図4〕街のシンボルを再生
2011年のデジタル放送化に伴い、役割を終えた集約電波塔を転用する。用途変更に合わせて現行法規への適合を行い、塔体の基礎免震化を実施。4、5階にTHE TOWER HOTEL NAGOYAを開業する
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➊ 名古屋市中区錦3-46の一部 ➋ 名古屋テレビ塔 ➌ 日建設計 ➍ 竹中工務店 ➎ 20年6月 ➏ 20年7月 ➐ S造、一部SRC造、基礎免震構造 ➑ 地下1階・地上5階 ➒ 3792.91m2
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