2019年10月31日未明、沖縄文化の象徴とされる首里城が炎に包まれた。木造で復元した正殿から出た炎は、鉄筋コンクリート造の建物に次々と燃え移り、約11時間も燃え続けた。その結果、首里城の中心施設7棟が全焼した。なぜ被害がこれほどまでに拡大してしまったのか。消火活動を詳細に検証するとともに、識者の意見を交えながら再建に生かすべき教訓を探る。

炎上する首里城正殿。10月31日午前4時30分撮影。正殿の火勢は強く、猛烈な輻射熱の影響で消防隊は度々、消火活動の中断を強いられた(写真:沖縄タイムス/共同通信イメージズ)
炎上する首里城正殿。10月31日午前4時30分撮影。正殿の火勢は強く、猛烈な輻射熱の影響で消防隊は度々、消火活動の中断を強いられた(写真:沖縄タイムス/共同通信イメージズ)
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火災による焼損状況
施設名 構造 階数 延べ面積 被害状況
正殿 木造 3階建て 1199m2 全焼
北殿 RC造、外観木造 1階建て 467m2 全焼
南殿・番所 RC造、外観木造 2階建て 609m2 全焼
黄金御殿 RC造、外観木造 2階建て 991m2 全焼
書院・鎖之間 木造 1階建て 621m2 全焼
二階御殿 1階RC造、2階木造 2階建て 429m2 全焼
奥書院 木造 1階建て 57m2 全焼
奉神門 RC造、外観木造 2階建て 5113m2 半焼
火災では、木造で復元した正殿や書院・鎖之間だけでなく、鉄筋コンクリート(RC)造の建物も全焼した。首里城は正殿東側のエリアの復元が2019年2月に完成し、30年以上の歳月をかけて進めてきた復元整備に一区切りついたばかりだった(資料:総務省と内閣府沖縄総合事務局の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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