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ノートルダム大聖堂や首里城正殿での火災を受け、文化庁は消防設備の整備などの防火対策を5年で重点的に進める。世界遺産や国宝に指定されている建造物などの防火対策をハード・ソフト両面から強化する。

 文化庁は2019年12月23日、「世界遺産・国宝等における防火対策5か年計画」を発表した。20年度からの5年間で国宝や重要文化財の防火対策を強化する。

 世界遺産や国宝を優先して対策を進める。重点整備内容として、以下の5項目を挙げる。(1)経年劣化で機能が低下したり不具合が生じたりしている防火設備の改修、(2)火災の早期覚知のための警報設備の充実、(3)スプリンクラー設備などの自動消火設備の整備による初期消火対策の徹底、(4)放水銃やドレンチャー設備などの整備による周辺からの延焼防止対策の充実、(5)1人でも操作ができる消火栓設備など管理体制に応じた消火活動を行うための防火設備の整備。

 このほか、所有者や管理団体が取り組むべき防災対策として、防災計画の策定や設備の定期点検、設備を用いた訓練、自主防災組織や近隣の人々との連携の下での定期的な防災訓練の実施などを挙げる。

 文化庁は、首里城での火災発生後、世界遺産に指定されている史跡に立つ建物などの防火対策について緊急調査を実施した。5カ年計画で重点整備内容の1つに挙げている自動火災報知設備については、復元建物で設置率の低さが目立った。世界遺産の構成要素である建物では、32%が自動火災報知設備を設置していないと回答。世界遺産に指定されている史跡などに立つ復元建物については45%が未設置であることが明らかになった〔図1〕。

〔図1〕復元建物の半数近くが自動火災報知設備の設置なし
〔図1〕復元建物の半数近くが自動火災報知設備の設置なし
世界遺産の構成資産となっている建物や、世界遺産に指定されている史跡などに立つ復元建物の自動火災報知設備の設置状況。調査済みの国宝と重要文化財や文化財保護法の対象外であるものは調査対象から除いた(資料:文化庁)
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