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2つの遊歩道が門形建物の中央で交差する。フランス・ボルドーに完成した文化拠点施設は、街に開くことを追求したプランが特徴だ。天井に鏡を取り付け、屋内の様子を反射させて屋外に見せるといった、遊び心もある。

 「フランスのボルドー」と聞くと、おそらく大半の日本人はワインを思い浮かべるだろう。ボルドーは、フランス南西部のヌーヴェル・アキテーヌ地域圏に位置する。2019年6月28日、文化拠点施設「MÉCA」が開業を迎えた〔写真1〕。

〔写真1〕南フランスのボルドーで2019年6月28日にオープンした文化拠点施設「MÉCA」の夕景(写真:武藤 聖一)
〔写真1〕南フランスのボルドーで2019年6月28日にオープンした文化拠点施設「MÉCA」の夕景(写真:武藤 聖一)
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 MÉCAは、アキテーヌ地域圏にある3つの文化組織が館内をシェアする施設だ。モダンアートを展示するOARAと、演劇シアターを運営するFRAC、そして映画館とライブラリーを運営するALCAだ。

 施設建設の総事業費は6000万ユーロ(約73億円)で、約3年の工期を経て完成した。建物の高さは37m、地上6階建てで、延べ面積1万8000m2の規模だ。

 MÉCAはボルドーにおけるウオーターフロント開発の一環として位置付けられたプロジェクトだった。ボルドー・サンジャン駅の東、ガロンヌ川の岸辺に立地している〔写真2〕。もとは食肉市場があった場所で、市場移転後、跡地活用が話題となっていた。06年、当時のFRAC理事長だったアライン・ルセット氏が、OARAやALCAと組んで文化拠点としてMÉCAの建設を提案した。

〔写真2〕屋上テラスから見たボルドー市街とガロンヌ川の風景(写真:武藤 聖一)
〔写真2〕屋上テラスから見たボルドー市街とガロンヌ川の風景(写真:武藤 聖一)
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 11年に開かれた国際コンペには世界中から152チームが参加。デンマーク・コペンハーゲンを拠点とする設計事務所BIG(ビッグ)と、仏パリに拠点を置くFREAKS Architects(フリークス アーキテクツ)のチームによる案が勝ち残った。