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デンマークでは、渋滞緩和や環境配慮などの面から、首都のコペンハーゲンに流入する自動車の交通量を減らす取り組みを進めている。近郊の街では、鉄道や道路をまたぐ、長さ225mのユニークな新駅舎が登場した。
デンマークのコペンハーゲンから南西に約35km行った場所に、人口6万人余りのKøge(ケーエ)市がある。市の北部で2019年6月、新たな交通拠点としてKøge NORD STATION (ケーエ北駅)がオープンした。高速鉄道と首都圏近郊鉄道、高速道路をまたいで建つ、長さ225mの歩道橋と一体になった駅舎だ〔写真1~3〕。
駅舎のデザインは、コペンハーゲンに拠点を置く設計事務所COBE(コーベ)と、DISSING+WEITLING Architecture(ディシング・ウエイトリング・アーキテクチュア)が共同で手掛けた。
ケーエ北駅は首都圏のハブ駅になることを目指してつくられた。
同駅に接続する高速鉄道はコペンハーゲンと、リングステズという街を結ぶ新線だ。もう1つ接続するのが、Sトレイン(デンマーク語でS-tog、エストー)と呼ばれる首都圏近郊鉄道。市民の通勤などに使われている。その他にも、同国内で最も交通量が多いといわれるケーエ湾岸高速自動車道が、駅舎の下を走る。