漏れないディテール
目次
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急拡大する防水工法のツボ
超速硬化ウレタン複合防水
ウレタン塗膜防水の一種で、スプレーで超速硬化ウレタンを吹き付ける複合防水の採用が増えている。同防水の先駆けであるダイフレックスで、営業推進を担う2人の担当者にメカニズムや施工について聞いた。
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“消すディテール”で居場所づくり
長谷川 寛氏 竹中工務店 名古屋支店設計部 設計グループ長
竹中工務店の長谷川寛氏は、施設が大きくなるほど、パブリックスペースが重要になると捉える。大型施設は、1カ所の漏水が多大な影響を及ぼすため、細心の注意を払いながら“隠す納まり”を心掛ける。
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汚れなしで快適な内部環境を生む
花岡 郁哉氏 竹中工務店 東京本店設計部 設計第2部門設計4(アドバンストデザイン)グループ長
アルミ材やプレキャストコンクリートで仕上げた白くミニマルなデザイン――。こんな特徴を持つ花岡郁哉氏の設計は、実は緻密だ。汚れに配慮しながら快適な光環境を生み出す。
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軒や庇で都市と建築のスケールつなぐ
米津 正臣氏 竹中工務店 大阪本店設計部 設計第3部門設計1グループ長
⽵中⼯務店の⽶津正⾂⽒は設計で、都市と建築、ディテールのつながりを重視している。軒をはじめ⾬仕舞いに直結する部位を、周辺の都市のスケールとつなぐ要素として活⽤する。
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ウレタン複合防水で窓まわりを一変
多喜 茂氏 日建設計 設計部門 シニアエキスパートデザイナー
アスファルト防水で用いるアゴ付きのパラペットや押さえ金物を変えられないか──。日建設計の多喜茂氏はウレタン複合防水にいち早く注目し、独自の窓まわりを追求する。
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気化冷却効果も利用して壁面緑化
羽鳥 達也氏 日建設計 設計部門 ダイレクターアーキテクト
ヒートアイランド現象の緩和に、建築設計者として取り組むことが不可欠――。土の蒸散効果も利用し、水仕舞いに配慮しながら独自の緑化の仕組みに挑む。
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防水層を万全に内外の床を連続
山梨 知彦氏 日建設計 常務執行役員チーフデザインオフィサー 設計部門プリンシパル
山梨知彦氏は内外を曖昧につなぐ設計を志向し、床とテラスをフラットで納めることが多い。外部にはピット状の防水層をつくり、その上に仕上げを載せるなど、確実な防水を心掛ける。
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外部とひとつながりの半屋外空間に
宮崎 浩氏 プランツアソシエイツ代表
日差しや緑を取り込みながら、外部とひとつながりの半屋外空間の設計に力を入れる宮崎浩氏。通り道の雨掛かりを避けるとともに防水に配慮して、内外の床がフラットに続く快適な場を実現する。
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軒先は開放して維持管理しやすく
小堀 哲夫氏 小堀哲夫建築設計事務所代表
ガラストップライトを用いる機会が多い小堀氏は、結露対策として断熱や結露受けを欠かさない。また、陸屋根を採用する場合は内どいを避け、軒どいを設けて開放することの重要性を説く。
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パズルのように雨水の流れを解く
赤松 佳珠子氏、大村 真也氏 ともにシーラカンスアンドアソシエイツ(CAt)パートナー
CAtの手掛ける建築は、大きな平面のフラットスラブが多いことから、雨水計画と平面計画は切り離せない。スラブ上の集水域をどう分割して、雨をどこに集めるか。オーバーフローも踏まえてパズルのように解いていく。
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ウレタン防水で意匠性と工費削減
須部 恭浩氏 三菱地所設計 建築設計三部 チーフアーキテクト
鋳物の外装材で浮遊感を持たせ、眺望を生かす外部デッキを要所に配置した設計が特徴だ。ウレタン塗膜防水によってパラペットの高さを抑え、意匠性とコストダウンを両立する。
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三重、四重の防水で雨漏りゼロ
内藤 廣氏 内藤廣建築設計事務所代表、東京大学名誉教授
この連載では、デザインに加え、防水や水仕舞いに一家言を持つ設計者に登場してもらい、独自の“ルール”を、具体的な事例の納まりを通して聞く。初回は雨漏りなしの内藤廣氏だ。