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ガラストップライトを用いる機会が多い小堀氏は、結露対策として断熱や結露受けを欠かさない。また、陸屋根を採用する場合は内どいを避け、軒どいを設けて開放することの重要性を説く。

こぼり てつお:1971年生まれ。97年法政大学大学院修士課程修了後、久米設計に入社。2008年小堀哲夫建築設計事務所設立。17年に「ROKI Global Innovation Center –ROGIC–」(13年)で日本建築学会賞(作品)、JIA日本建築大賞をダブル受賞(写真:日経アーキテクチュア)
こぼり てつお:1971年生まれ。97年法政大学大学院修士課程修了後、久米設計に入社。2008年小堀哲夫建築設計事務所設立。17年に「ROKI Global Innovation Center –ROGIC–」(13年)で日本建築学会賞(作品)、JIA日本建築大賞をダブル受賞(写真:日経アーキテクチュア)

自然エネルギーを活用するため、屋根やトップライトから光や風を取り入れる設計が多いですね。

 屋根から光を入れようとすると、必然的にガラスを使うことになります。一方、屋根には雨を止めるという大事な役割もあり、それを満たす上では、勾配をつける、開放する、シールがなくても成立する。この3つをいつも基本にしています。

 フラットなガラス屋根やキャノピーが悲惨な状態になっているのをよく見掛けますが、思うようにメンテナンスされないことは想定できたはずです。だから屋根に勾配をつけることは基本だと思います。

 また、ガラストップライトは、シールなしで成立することが重要です。シール材は紫外線で劣化して10年程度しか持たないこと、シール材が切れると毛細管現象で漏水するほか、天井際の熱気が外気に触れ、結露が生じるからです。私は必ず結露受けを付けます。そして工事の最後には現場で水を垂らして実験し、水のルートと漏水の有無を確認します。

 防水を考える上では、水の自然な流れに素直になることとメンテナンスがしやすいことも大切でしょう。

防水・納まりのポイント

  • 水の流れに逆らわず、ガラスの屋根では勾配をつけることを基本とする
  • ガラストップライトでは、シールによる止水に頼った納まりはやめる
  • フラットルーフでもメンテナンスを踏まえて、軒どいを開放したディテールにする