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日差しや緑を取り込みながら、外部とひとつながりの半屋外空間の設計に力を入れる宮崎浩氏。通り道の雨掛かりを避けるとともに防水に配慮して、内外の床がフラットに続く快適な場を実現する。

みやざき ひろし:1952年生まれ。75年早稲田大学理工学部建築学科卒業、77年同大学大学院修士課程修了。79~89年槇総合計画事務所。89年プランツアソシエイツ設立。「中原中也記念館」(93年)でJIA新人賞を受賞(写真:日経アーキテクチュア)
みやざき ひろし:1952年生まれ。75年早稲田大学理工学部建築学科卒業、77年同大学大学院修士課程修了。79~89年槇総合計画事務所。89年プランツアソシエイツ設立。「中原中也記念館」(93年)でJIA新人賞を受賞(写真:日経アーキテクチュア)
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建築の防水について、どのように考えて設計に臨んでいますか。

 防水だけでなく、地震や水害など想定外の自然災害が起こることも前提で設計しなければならない時代です。さらに、建物の老朽化によるアクシデントなども想定し、最悪の事態となっても、二重三重に備える考え方が重要だと思います。現在、建設中の美術館でも、建物内に水を入れないことを大前提としていますが、万が一の場合でも、主要な施設には絶対に水を流さない計画としています。

新山口駅南北自由通路(2015年)
土や植物の飛散を避ける

ターミナルパーク整備事業の一環として2015年に完成した南北自由通路。プランツアソシエイツと山口市ターミナルパーク整備部がデザイン監修を担当した。約100mの壁面にはフランスのパトリック・ブラン氏監修の「垂直の庭」を設置(写真:イクマ サトシ)
ターミナルパーク整備事業の一環として2015年に完成した南北自由通路。プランツアソシエイツと山口市ターミナルパーク整備部がデザイン監修を担当した。約100mの壁面にはフランスのパトリック・ブラン氏監修の「垂直の庭」を設置(写真:イクマ サトシ)
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ホーム上空に通路をつくる場合、緑化には配慮が必要ですね。

 当初、我々の担当は駅前広場だけでしたが、南北自由通路についても壁面緑化を監修したフランスのアーティストで植物学者であるパトリック・ブラン氏と協働することになりました。ここでは光や風を感じられる半屋外の通路とし、法規上必要な幅員6mの両側に2mずつ確保して、ゆったりとした歩行空間にしました。

 主要動線となる中央部分は極力雨にぬれないように、トップライトを設けた屋根を架けています。線路側もトップライトとし、コンコース側は壁と縁を切って、雨や日差しも入るようにしています〔図1〕。

〔図1〕ホーム上空に架かる新山口駅南北自由通路
〔図1〕ホーム上空に架かる新山口駅南北自由通路
断面詳細図
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 線路上空で緑化を行うに当たり、土や植物の種子が飛散しないことがJR西日本からの絶対条件でした。パトリック・ブラン氏による緑化システムは、二重フェルトを利用したもので、うまく条件がマッチしました。

 屋根両端は、軒先から内側にかけて逆勾配とし、柱が並ぶライン上に縦どいを設けることで、線路に向かう視界を妨げないようにしています。

防水・納まりのポイント
  • 半屋外通路では、雨や風も受け入れつつ、人が確実にぬれないスペースをつくって、歩行空間としての快適性を確保する
  • 雨が吹き込む屋外施設の場合は、透水性舗装も検討
  • 減築を伴う改修では、防水にも気を配りながら内外の床をフラットにつなげる