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ヒートアイランド現象の緩和に、建築設計者として取り組むことが不可欠――。土の蒸散効果も利用し、水仕舞いに配慮しながら独自の緑化の仕組みに挑む。

はとり たつや:1973年生まれ。96年武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部建築学科卒業、98年同大学大学院工学研究科建築学専攻修了、日建設計入社。「神保町シアタービル」(2007年)でJIA新人賞、「NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)」(11年)で日本建築学会賞(作品)を受賞。「逃げ地図」に取り組む(写真:日経アーキテクチュア)
はとり たつや:1973年生まれ。96年武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部建築学科卒業、98年同大学大学院工学研究科建築学専攻修了、日建設計入社。「神保町シアタービル」(2007年)でJIA新人賞、「NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)」(11年)で日本建築学会賞(作品)を受賞。「逃げ地図」に取り組む(写真:日経アーキテクチュア)

建築の緑化になぜ取り組み始めたのですか。

 「NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)」(2011年)の設計を担当したのが1つのきっかけです。都市で建築や道路が蓄熱量を増やす要因となっており、建築で対策をすべきだという義務感がありました。

 NBF大崎ビルの設計で参考にしたのは、隣にある「シンクパークタワー」の緑地がどうヒートアイランドの緩和に貢献できるか。ランドスケープチームが日建設計総合研究所と一緒に環境測定を続けていました。

 ここは卓越風が吹いてくる場所なので、風上側と風下側で温度を測って、どのくらい温度が下がるか、綿密なデータを取っていました。ただ私たちは、建築でも何かできないかと考えました。それで、バルコニーの手すりを兼ねた陶器管ルーバーに貯留雨水を循環させて気化熱で冷却する「バイオスキン」に至るわけです。