新型コロナウイルスの感染拡大が、年度末の繁忙期を迎えた建築界を直撃した。建材の納期遅延に工事の一時中止、建築士定期講習の見送りなど、実務者への影響は大きい。在宅勤務などに対応するため、設計事務所や建設会社は業務環境の見直しを迫られている。新型コロナ・ショックがもたらす影響を多方面から探った。

特集
年度末の建築界を直撃 新型コロナ・ショック
建材の調達難や在宅勤務への対応に苦闘
目次
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完工目前の建材・設備不足で大混乱
中国湖北省武漢市で「謎の肺炎」が報告され始めたのは2019年12月。当初は対岸の火事と捉える向きが多かったが、新型コロナウイルスの感染は瞬く間に世界に広がり、年度末の繁忙期を迎えた建築界を直撃した。
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在宅勤務に会社も社員も右往左往
新型コロナウイルスの感染防止や学校の休校による育児への対応を目的に、在宅勤務を取り入れる企業が相次いでいる。働き方改革が道半ばの状態で、突然、対応を求められた企業と社員は右往左往している。
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建築需要の減少に疫病が追い打ち
世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック(世界的な大流行)」と認定した。流行が終息するまでの期間が長期化すれば、建設市場に与える影響は計り知れない。
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新型コロナ・ショックの影響は?
日経クロステックが3月5日~9日にインターネット上で実施した独自アンケートで、新型コロナウイルスが建設産業にもたらす影響が浮かび上がった。設計事務所や建設会社などの実務者682人のうち6割超が、仕事に影響が出ていると回答。具体的な影響を尋ねたところ、工事については「資材調達の遅れ」が最も多かった。…