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建築界にとって最も大きな改正点となるのが、不具合や欠陥などを指す「瑕疵」という法律用語の廃止だ。新たに「契約不適合」という概念が登場、解決までの道筋も変わる。契約不適合となるのは3つの要件だ。

 建築物を引き渡した後の施工者の責任は、旧民法では「瑕疵担保責任」と呼ばれてきた。

 この文言には「契約責任説」という解釈があり、ごく簡単に言えば「計画通りの完全な成果物を引き渡す責任」ということになるだろう。受注者には、契約時に定めた通りの建物を引き渡す義務があり、不具合がある建物を引き渡すのはその義務に反している、という前提に立っている。

 受注者には完全な成果物を引き渡す義務があるので、不具合があれば直す義務を負う。この特集ではこうした受注者が無条件で責任を負う場合を「無過失責任」と表記する。

 改正民法は今回、請負契約も売買契約に準じた契約類型だ、と再定義した。このため売買のルールが建築行為にも登場してくる。最も端的な文言が「契約不適合」だ〔図1〕。

〔図1〕契約不適合責任とは
〔図1〕契約不適合責任とは
基本的な考え方は旧民法の「瑕疵担保責任」と同じだが、従来の「瑕疵」は様々な解釈がなされた文言となっていたのに対し、違反の判断は3要件のみに絞られた(資料:取材に基づき日経アーキテクチュアが作成)
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 契約不適合の要件はシンプルだ。それは「引き渡された成果物が種類、品質または数量に関して、契約内容に適合しないとき」。この3要件を規定した条文には、法律によくある「など」が入っていないので、3要件以外の判断材料はない。