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熊本地震では数多くのマンションや戸建てが被害を受けた。行政などはその対応に注力してきたが、4年たった今も「全壊」したマンションで解体が完了していない例がある。熊本市内の宅地では、液状化対策が2020年3月にようやく始動した。その過程では、合意形成や工法の選定などの難題があった。

 熊本市内では、熊本地震で600棟以上のマンションが被災した。地震発生から4年たった現在も、解体や建て替えが続き、合意形成が難航しているマンションもある。

 「第2京町台ハイツ」は熊本地震で全壊したマンションの1つだ。建物解体後、敷地売却が完了して管理組合が解散したのは2020年2月のこと。管理組合の理事長を務めていた松本一氏は、その経緯を「マンション解体はいばらの道だ」と振り返る。

 建物の竣工は1974年。鉄筋コンクリート造、地上9階建てで、全41戸のマンションだった〔写真1〕。本震を受けた2016年4月16日、ピロティ形式の1階駐車場が潰れ、松本氏は区役所へ駆け込んだ。区は「全壊」の認定で罹災(りさい)証明書を発行した。

〔写真1〕被災から敷地売却まで3年半
熊本地震で被災直後の「第2京町台ハイツ」。解体の協議をしていた約1年の間にも建物は徐々に崩れていった
熊本地震で被災直後の「第2京町台ハイツ」。解体の協議をしていた約1年の間にも建物は徐々に崩れていった
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2020年3月に撮影した解体後の敷地
2020年3月に撮影した解体後の敷地
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市が管理組合に出した解体・撤去完了の通知書
市が管理組合に出した解体・撤去完了の通知書
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(写真:日経アーキテクチュア)

 管理組合には、修繕積立金の返還を求める住民が押し寄せた。解体や売却に関わる費用として約2割を残し、約8割を各住戸に返却した。