政府が旧案を白紙撤回し、注目を浴びた国立競技場の整備事業。その衝撃は建築界を揺るがし、再び挑む設計・施工者たちへの重圧となった。あれから約4年。逆境を乗り越え、工期36カ月、整備費1569億円で完成を迎えた。しかし東京五輪の開催は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で延期に。翻弄され続ける国立競技場は、建築界に何を残したのか。完成に至るまでの軌跡をたどる。
国立競技場
- 所在地:東京都新宿区霞ケ丘町10-1
- 敷地面積:約10万9800m2
- 建築面積:約6万9600m2
- 延べ面積:約19万2000m2
- 構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
- 階数:地下2階・地上5階
- 基礎・杭:直接基礎
- 高さ:地盤面(TP+25.09m)から最高高さ 47.35m
- 発注者:日本スポーツ振興センター
- 設計・施工者:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体
- 設計期間:2016年2月~17年1月
- 施工期間:2016年12月~19年11月
Index
- 工期36カ月の重圧 設計・施工一丸で挑んだ国家事業
- 新生・国立競技場のレガシー 観戦環境支える3つのスゴワザ
- インタビュー 次代に継ぐ日本的チームワーク
- 一般市民へのアンケート調査 「印象良い」半数も建設費に厳しい目