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緊急事態宣言の解除後も感染リスクがゼロになったわけではない。感染防止対策が長期にわたって必要になるのは間違いない。宣言の期間中から、公表される知見などを基に独自の指針を設けて臨んだ会社もある。

 緊急事態宣言の期間中には、独自の工夫で工事の続行を模索した会社もある。建築内装という、比較的「3密(密閉・密集・密接)」になりやすい現場を多数抱える専門工事会社のユニオンテック(東京都新宿区)は、5月初旬に自社製の「コロナ対策ガイドライン」(以下、ガイドライン)を作成して運用を開始した〔写真1〕。

〔写真1〕「3密」避ける独自指針
〔写真1〕「3密」避ける独自指針
ユニオンテックの取り組み。作業員自身が2mの距離を適切に確保して作業できるよう、現場の入り口付近の床に半径2mの円を粘着テープで表示するなど補助策も実施(写真:ユニオンテック)
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窓や換気設備がない現場では、ダクト式の負圧集塵機で強制換気する(写真:ユニオンテック)
窓や換気設備がない現場では、ダクト式の負圧集塵機で強制換気する(写真:ユニオンテック)
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 同社は、緊急事態宣言が出てから5月6日までは、受注済みの大半の工事を中断していた。しかし、宣言の期間延長を見越し、工事を再開できるかどうかを判断するため、約40項目から成るガイドラインをまとめた。これを基に判断し、対策の順守が困難な現場のみ中断を継続した。

 同社の韓英志代表は「やむを得ない事情で工事を続けたいくつかの現場の経験から、必要な対策が分かってきた。対応できるところから順次再開すると決めた」と話す。

 ガイドラインでは例えば、現場に同時に入場できる人数を数値で示している。壁際での作業時に各作業員が2m以上の距離を保てるよう、面積10m2当たり1人の入場に制限した。現場管理者は、こうしたルールに沿って工程を組めるかどうかをチェックする。

 やむを得ず2m以内の距離で作業員が共同作業しなければならない場合のルールも示した。共同作業する相手をあらかじめ特定し、作業時は手袋と眼鏡を着用。1回の作業時間は10分以内にするというものだ。また、作業中の窓開け、あるいはビル空調機による換気ができない場合は、ダクト式の負圧集塵機を持ち込んで強制換気する。

 ガイドラインに照らして中断を継続すると判断した現場も、感染防止策を適切に実施できているかをモニタリングチェックする仕組みがあれば稼働は可能と分かった。そのためのITツールを用いた仕組みの開発にも乗り出した。