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 ソフトバンクは2020年3月、約1万5000人が勤務する本社の1階エントランスに「AI(人工知能)温度検知ソリューション」の端末を20台、試験導入した〔写真1〕。顔認証でセキュリティーゲートを開閉するのと同時に非接触で検温する。社員は、マスクを付けたまま、認証や検温を気にする様子も無く通過していく。社員以外や発熱の疑いがある人が通過しようとするとゲートは開かない。

 立ち止まらずにゲートを通過 

〔写真1〕ソフトバンクの本社では顔認証と検温を実施
〔写真1〕ソフトバンクの本社では顔認証と検温を実施
顔認証と検温を同時に実施する「AI温度検知ソリューション」をセキュリティーゲートに設置したイメージ(左)。ソフトバンクの本社に20台、試験導入した(右)(写真:左は日本コンピュータビジョン、右はソフトバンク)
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AI顔認証端末の上にサーマルカメラを組み込んでいる(写真:日経アーキテクチュア)
AI顔認証端末の上にサーマルカメラを組み込んでいる(写真:日経アーキテクチュア)
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 提供するのは、ソフトバンクの子会社で画像認識技術を持つ日本コンピュータビジョン(東京都千代田区)。「出社時に社員の検温を義務付ける企業も出てきた。だが、検温には時間がかかるため、出社ピーク時には行列ができることもある。AI温度検知ソリューションは、こうした課題を解消する」。同社営業&マーケティング本部マーケティング部マーケティング課の中島宏幸課長はこう語る。

 AI温度検知ソリューションは、AIを活用した顔認証端末とサーマルカメラを組み合わせている。個人認証と検温に要する時間はわずか0.5秒。社員の入退館と健康状態の記録を一元管理できる。

 顔認証については、顔写真を登録する段階で、1万~2万点の特徴を抽出する。このうちの一部でも認証できるので、マスクを着けていても目元などの特徴で認証が可能だ。

 検温については、顔認証技術で額を特定し、11万点の温度を測定。一番高い温度で判断する。前髪などの影響を受けにくい。