2018年の西日本豪雨、19年の東日本台風に続いて列島を襲った「7月豪雨」。気候変動の影響で激甚化の一途をたどる水害への備えは、建築の設計や街づくりにおいて、耐震や防耐火と並ぶ最重要テーマに浮上した。これまで土木分野に任せきりだった浸水対策を、いかに加速させるか。浸水した建物の被害分析や政策の動向、最新の設計事例などを基に検証する。

1階が水没して14人が亡くなった、熊本県球磨村渡地区の特別養護老人ホーム「千寿園」(写真右手)。陸上自衛隊などが救助に当たった。7月4日撮影(写真:陸上自衛隊第8師団)
1階が水没して14人が亡くなった、熊本県球磨村渡地区の特別養護老人ホーム「千寿園」(写真右手)。陸上自衛隊などが救助に当たった。7月4日撮影(写真:陸上自衛隊第8師団)
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