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コロナ禍で問われた人間同士の距離は、住宅のプランにも影響するのか。家族間の距離を設計テーマの1つにしてきた、建築家の千葉学氏に聞いた。

ちば まなぶ:1960年生まれ。87年東京大学大学院修了。日本設計、ファクターエヌアソシエイツなどを経て2001年千葉学建築計画事務所設立、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。13年同教授(写真:Wu Chia-Jung)
ちば まなぶ:1960年生まれ。87年東京大学大学院修了。日本設計、ファクターエヌアソシエイツなどを経て2001年千葉学建築計画事務所設立、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。13年同教授(写真:Wu Chia-Jung)

コロナ禍を受けて、今後の住宅の在り方に変化が起こりそうか。

千葉 今後の住宅の在り方は、まだ確かなことは分からない。それが現状だろう。

 住宅に限らない話になるが、2011年の東日本大震災後も、今のコロナ禍の下でも、声高に叫ばれるのは「人と人との距離」の問題だ。東日本大震災後はつながりが必要だといわれ、コロナ禍の今は密を避けようとして動いている。全く逆のようだが、どちらも距離の話だ。

 実は、私が復興に関わってきた東日本大震災の被災地でも、「つながり」と同時に「1人になれる場所や時間の確保」が大事なテーマだった。つまり、人間は1人で居続けることも、誰かとずっと一緒にいることもできない。そうした矛盾を根本的に抱えている。自然災害に直面したとき、そうした当たり前の動物的本能の側面が、社会的な課題として前面に出てくる。