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 ドローンを用いた外壁調査の先駆者とIT企業が手を組み、ドローンやAI(人工知能)を用いた建物調査の方法を開発して会員企業に提供していく。参加するのは、建築検査学研究所(神奈川県大和市)と日本システムウエア(東京都渋谷区)、do(東京都千代田区)の3社。2020年3月に「建築検査学コンソーシアム」を設立した。

 コンソーシアムの発起人で技術統括を務める建築検査学研究所の大場喜和代表は、民間の第三者検査・評価機関でドローンや赤外線装置を用いた外壁調査に携わってきた。この分野の先駆者の1人だ。

 会員が利用できるソフトの目玉が、赤外線画像AI分析ソフト「Thermal Vision」だ。タイルや下地モルタルといった仕上げ材の浮きの有無や浮きのある箇所の面積、浮きタイルの枚数などを自動で解析できる〔図1〕。

〔図1〕小径コアと赤外線カメラの分析を照合
〔図1〕小径コアと赤外線カメラの分析を照合
赤外線画像AI分析ソフトの利用イメージ。赤外線画像データと風速や放射率などのパラメーター情報を基にAIが自動で判定する。また、外壁仕上げの構成を正確に把握するための小径コア抜きや、浮き部分の引っ張り試験の実施を求めている(資料:建築検査学コンソーシアム)
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(資料:建築検査学コンソーシアム)
(資料:建築検査学コンソーシアム)
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 仕上げ材の浮き判定は、ドローンに搭載して撮影した赤外線画像を活用する。温度が上昇する際、仕上げ材が浮いている箇所は空気層があるため熱が伝わりにくく健全部よりも温度が高くなる〔図2〕。赤外線画像では、この温度差を検出していく。

〔図2〕赤外線画像から仕上げ材の浮きを発見する仕組み
〔図2〕赤外線画像から仕上げ材の浮きを発見する仕組み
仕上げ材が剥離した部分は躯体との間に空気層があるため、仕上げ材の熱が躯体に伝わりにくく周囲より高温になる。この温度差を赤外線画像で捉える。温度差は小さいので、表示する温度範囲を調整して仕上げ材の浮きを診断する(資料:建築検査学コンソーシアム)
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 ポイントは、気象条件などを考慮して赤外線画像を判定すること。コンソーシアムの調査手法では、風速や温湿度、放射率などを調査時に確認しておくことを標準とする。このパラメーター情報をソフトウエアに入力することで、解析の妨げになるノイズなどを排除しながら精度の高い判定ができるようにした。