全1384文字
PR

 大手建設会社の竹中工務店は、ドローンで撮影した赤外線画像を用い、AI(人工知能)を用いた画像解析でタイルの浮きを自動検出する「スマートタイルセーバー」を開発した。2020年7月から既存建物を対象とした試行を開始、9月までに2棟で適用した〔写真1〕。

〔写真1〕2人1組で実施
〔写真1〕2人1組で実施
ドローンによる赤外線撮影の模様。1人がリアルタイムでサーモグラフィーを監視し、もう1人がドローンを操作する。画像解析に備え、必要に応じて微調整する必要があることから、現状ではこの手法が最も有効だという(写真:竹中工務店)
[画像のクリックで拡大表示]

 赤外線画像を撮影するデバイスは、米FLIR Systems製のサーモグラフィーカメラ。建物から3mほど離れた位置から壁面を撮影、画像データを取得する。

 「ドローン撮影の良いところは、カメラを壁へ物理的に近づけられること。怪しい場所があれば近づいて、さらに解像度を上げられる」と、開発の中心人物である北関東支店の深沢茂臣作業所長は語る。

 撮影の成果である赤外線画像は独自開発した「スマートタイルセーバー」アプリケーションで解析。(1)熱分布データの抽出、(2)壁面のタイル目地検出、(3)浮いたタイルの検出、を実施する。

 壁面ごとにデータをつなぎ合わせることで、壁面のすべてのタイルの割り付けがCADデータとして出力できる。どのタイルに浮きの可能性があるか、タイルの総数のうち何パーセントに当たるかも自動計算できる。自動化率が高く、調査の成果物である報告書を作成する手間が少ないのがメリットだ〔写真2〕。

〔写真2〕画像解析の適用例
〔写真2〕画像解析の適用例
写真は壁の一部分にだけ画像解析を適用した例。目地の割り付けを自動で検出、さらに色別でタイル浮きの可能性をタイル単位で示している。赤色の方が黄色より浮きの可能性が高い。元の画像は赤外線のみを撮影しているので、モノクロの状態だ(資料:竹中工務店)
[画像のクリックで拡大表示]