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立命館大学大阪いばらきキャンパスに、グローバル人材を育成する複合施設が完成した。上階は学生寮だが、1~2階に能舞台や茶室、日本庭園などを設け、国際交流の拠点としている。

 JR茨木駅から徒歩5分。2015年4月に開設した立命館大学大阪いばらきキャンパス(以下、OIC)は、地域へ積極的に開いた塀のないキャンパスだ。OICの北東側には、一見するとキャンパスの広場のような防災公園が広がり、学生と市民の自然な交流を促している。

 OICの南側に、19年10月に開館したのが「分林(わけばやし)記念館」だ。同年4月に開設したグローバル教養学部の学生が共同生活する定員200人の寮が入り、併せて、能舞台のある多目的ホールや茶室、日本庭園などを設けた。コンセプトは「日本に住まい、日本に学び、世界にはばたく」。経営学部の卒業生で日本M&Aセンター会長の分林保弘氏が寄贈した〔写真12〕。

〔写真1〕吹き抜けで寮生に一体感
〔写真1〕吹き抜けで寮生に一体感
学生寮の4層吹き抜けの階段まわり。左手がダイニングやリビング、キッチンなどの共用部、右手が寮室。様々な場所が見え隠れし、フロアを越えたつながりを生み出す(写真:母倉 知樹)
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〔写真2〕水平性を強調する西面
〔写真2〕水平性を強調する西面
寮室の多くが面する西側のファサードをホッケーフィールド越しに見る。西面には、水平性を強調する日本建築的なデザインを取り入れた。左手に既存のC棟校舎との連絡通路が見える(写真:母倉 知樹)
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