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 コロナ禍に見舞われる以前から、スポーツ建築には変革が起こりつつあった。日本政策投資銀行が多機能複合型の「スマート・ベニュー」を提唱した2013年には既に、問題意識の上での転換期は来ていた。

 以後、日本における実践は、海外に遅れを取りながらも自治体やプロスポーツクラブが手探りながら歩みを進めてきた。欧米やアジア新興国の先進事例に学んできた成果が遠からず現れる、と期待される段階に入っている。

 2000年以降の動向として、ここで特に着目したのは、主に事業計画に関わる官民連携手法、建築計画に関わる空間構成手法、都市・地域計画に関わる複合開発手法──の3つと、国際的大規模スポーツイベントの潮流だ。

 事業計画での効率性や多機能複合化、都市・地域開発での多様性への要求は、国内外で完結・独立型の従来施設を減少させる方向に働いてきた。代わって、周囲に開き、環境と一体化するタイプに先駆例が現れつつある。

 大規模な予算を投じる国際的スポーツイベントを含め、各潮流は相互に関連し合う。それらは新型コロナウイルス感染症対策と必ずしも反するものではない。逆境を変革に転じるための好機が訪れている。

監修:上林 功(追手門学院大学社会学部准教授)桂田 隆行(日本政策投資銀行地域企画部)

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