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万博会場に、日本一の超高層ビルと巨大プロジェクトへの参画発表が相次ぐ。2020年は建築物が意匠登録された公園型店舗をデザイン。老舗旅館の改修にも初挑戦し、共に開業を迎えた。

(写真:北山 宏一)
(写真:北山 宏一)
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藤本 壮介(ふじもと そうすけ)
1971年生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。現在は日本とフランスに事務所を構える

 藤本壮介氏は、2020年に国内で最も名がとどろいた建築家の1人かもしれない。2つのビッグプロジェクトへの参加が発表された。1つは、25年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサー〔写真1〕。もう1つは、27年度に完成すると日本一の高さになる超高層ビル「Torch Tower(トーチ タワー)」頂部のデザインアドバイザーの就任だ〔図1〕。

〔写真1〕20年7月、25年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーに就任(写真:2025年日本国際博覧会協会)
〔写真1〕20年7月、25年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーに就任(写真:2025年日本国際博覧会協会)
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〔図1〕27年度に竣工すると日本一の高さになる超高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」頂部のデザインアドバイザーを務める。地上300mの位置に半屋外空間「天空の丘」を設ける予定(資料:三菱地所)
〔図1〕27年度に竣工すると日本一の高さになる超高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」頂部のデザインアドバイザーを務める。地上300mの位置に半屋外空間「天空の丘」を設ける予定(資料:三菱地所)
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 1970年の大阪万博で会場マスタープランを手掛けた丹下健三と同じ重責を、藤本氏は担う。同じ万博でも、50年前と今とでは状況が異なる。「会場デザインに多様性や持続性が求められる。コロナ禍が重なり、物理的に人が集まる意義も見いださなければならない」と藤本氏は語る。

 大阪・関西万博の特徴は、藤本氏を含む10人のプロデューサーが選出されたことだ。それ自体が多様性を意味するが、一歩間違えると「他の国や人とは違っていて当たり前という発想が『分断』を加速させてしまう恐れがある」。5年後の万博にどんな会場が必要とされるのか、藤本氏の手腕が試される。既にプロデューサー同士の会合が頻繁に開かれているといい、毎回楽しみにしている。

 一方、地上300mの位置に半屋外空間を設けるという前代未聞の超高層ビル開発でも、事業者の三菱地所は藤本氏が繰り出す奇想天外なアイデアに期待する。Torch Towerは、首都の玄関口である東京駅のすぐそばに立つ新しいシンボルになる。