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 米国を中心に、建設テック企業への注目度が高まっている。筆頭格が、施工管理ソフトウエアを手掛ける米Procore Technologies(プロコアテクノロジーズ)だ。2003年創業の同社は、スマホなどの普及とともに急成長を遂げ、20年2月にはニューヨーク証券取引所への上場を目指して手続きを開始した。

 「プロコアに続け」とばかりに、様々な建設テックスタートアップ企業が立ち上がっている。スタートアップというと、IT企業などの出身者ばかりが幅を利かせているようだが、旧態依然とした建設産業の在り方に疑問を抱いて起業する建築設計者も少なくない。

 スペイン・バルセロナを拠点とするScaled Robotics(スケールドロボティクス)の創業者であるスチュアート・マッグスCEO(最高経営責任者)もそんな元設計者の1人だ。

 15年創業の同社は小型の4輪ロボットにLiDAR(ライダー)などを積み、建設現場の状況を3次元化。進捗管理を高度化してミスなどによる手戻りのリスクを減らす技術を開発している。

 同社のウェブサイトに躍るのは、「建設業界は100年以上前に開発された道具やプロセスに依存している」という言葉。ロボット技術とAI(人工知能)で、効率的で費用対効果の高い生産プロセスの構築を目指す。

 マッグスCEOは言う。「建築設計者は、多くのプロセスが交わる場面に関わっている。起業するにはよいポジションだ」

 このパートでは、建築生産プロセスの革新に焦点を合わせて事業を展開する世界のスタートアップ企業を50社、ピックアップした。

 設計の自動化にプレハブ工法、建設3Dプリンターから施工管理プラットフォームまで。その勢いを垣間見れば、日本の企業もうかうかしていられないことが分かるはずだ。

建設テックを専門とするベンチャーキャピタルの投資先などから、創業間もない国外のスタートアップ企業を中心に選んだ。このリスト以外にも、ビルの運用や社会インフラの維持管理などをターゲットにしたスタートアップが数多くある(資料:各社の発表資料などを基に日経アーキテクチュアが作成)