琉球文化の象徴を失ってはいけない──。2019年10月に焼失した首里城(那覇市)の再建に向けた動きが本格化している。21年3月には正殿の基本設計がまとまった。基本設計には防火対策や管理体制の見直しだけでなく、構造補強を施すなど“徹底した対策”を盛り込んだ。
焼失した正殿はもちろん、御庭(うなー)を囲むように立ち並んでいた北殿や南殿・番所などは解体され、御庭からは那覇市内の街並みを見渡せるまで視界が開けていた。解体された南殿・番所や書院・鎖之間(さすのま)、奥書院などの跡地には仮設道路が整備され、御庭内に工事車両が出入りする。コロナ禍の下、首里城では再建に向けたつち音が響く〔写真1〕。
2019年10月に発生した火災で正殿を含む中心施設8棟が全焼・半焼した首里城。内閣府沖縄総合事務局が公募型プロポーザル方式で選定した国建(那覇市)は21年3月、正殿の基本設計をまとめた。21年度は実施設計を進める〔図1〕。
内閣府沖縄総合事務局は22年度中の着工へ向け、実施設計がまとまり次第、施工者を選定する方針だ。正殿は26年度内の完成を目指す。