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 内部からの出火を想定しておらず、スプリンクラーを設置していなかったことが火災後に問題視された首里城正殿。再建に向けて政府の「首里城復元に向けた技術検討委員会」は「首里城正殿の防火対策」をまとめた。国建は技術検討委員会の検討結果を踏まえて基本設計を作成した。

 議論の最大のテーマは、「歴史的意匠の維持」と「防火対策の強化」の両立だった。

 技術検討委員会は、「火災の未然防止」や「火災の早期発見」、「初期消火」など、火災フェーズごとに対応した対策を打ち出した〔図1〕。設置する設備は、着色したり、梁付近に配置したりして目立たないようにし、歴史的意匠を損なわないようにする。

〔図1〕シミュレーションで設置箇所を検討
〔図1〕シミュレーションで設置箇所を検討
防火設備の設置イメージ。シミュレーションを繰り返してCGで可視化しながら設置場所を議論した(資料:内閣府沖縄総合事務局)
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 技術検討委員会で委員を務める関澤愛・東京理科大学研究推進機構総合研究院教授は、「電気系統からの出火や放火、落雷による火災、周辺施設からの延焼など、出火原因が何であろうと早期発見や初期消火などを確実に実行できるようにする」と説明する。