全1606文字
PR

 正殿の再建に向けて、防火対策の見直しに加えて議論となったのが、地震や強風に対する構造安全性だ。政府の「首里城復元に向けた技術検討委員会」は「正殿の構造安全性の確保のための補強(案)」として補強方法をまとめた。

 外周屋根面の化粧裏板部分をくぎ止め(2列)で補強したり、2階天井裏などに水平ブレースを設置したりする〔図1〕。この他、壁内に構造用合板を設置するなどして耐力向上を図る。貫の端部や継ぎ手部を金物で補強し、柱からの抜け出しを防ぐ。

〔図1〕文化庁手引きを踏まえて補強方法を検討
〔図1〕文化庁手引きを踏まえて補強方法を検討
再建する正殿の補強イメージ。文化庁の「重要文化財(建造物)耐震診断・耐震補強の手引き」で示す「文化財建造物の耐震補強の原則」を踏まえ、歴史的意匠に影響がないように補強箇所を最小限にとどめる(資料:内閣府沖縄総合事務局)
[画像のクリックで拡大表示]

 補強箇所や方法は、文化庁の手引きに沿って、歴史的意匠に影響を与えないように配慮。可能な限り見えない位置で補強し、付加物として取り付ける場合は取り外し可能な方法とした。

 技術検討委員会の高良倉吉委員長は、「1992年の再建(平成の再建)時以降、建築基準法が改正されている。正殿は建基法の適用を除外して再建するが、『強固な正殿』を目指して、可能な限り現行基準を満たす構造にする」と説明する。