小屋裏で水滴を見つけた住宅会社から相談を受けた事例だ。屋根断熱の通気層に面する野地板にカビがびっしりと発生していた。原因は結露。屋根断熱の通気層から空気が抜けない構造になっていた。(日経アーキテクチュア)
「築2年なのに雨漏りしているようだが、原因が分からない。雨漏り調査をしてほしい」と住宅会社から依頼があった。屋根を3方パラペットの鋼板立て平ぶき片流れとした2階建ての木造戸建て住宅だ〔写真1〕。小屋裏に水染みがあり、住まい手から雨漏りしていると指摘されたそうだ。
現地で小屋裏を確認すると、はっきりとした水染みがあった。屋根に上がってみると水染みは片流れ屋根の水上側でパラペットの立ち上がり部の真下に位置していた。水下側の軒天には給気口となる軒先換気口が設置してあった〔写真2〕。
2階の小屋裏を見ると、袋入りグラスウールが垂木の間に充填された屋根断熱だった〔写真3〕。袋の耳の部分を垂木の位置で重ねて、ステープルで留め付けていた。しかし、面材や気密テープで押さえていないため室内からの湿気が断熱材の裏に浸入しやすい状態だった。グラスウールと野地板の間には30mm以上の通気層が確保されていた。