外壁の最上部に円弧を描く凝ったデザインを施した賃貸アパートで雨漏りが発生した。屋上のシート防水は、円弧状のパラペットに沿って押さえ金物で固定していた。この押さえ金物付近から雨水が浸入した。(日経アーキテクチュア)
「最上階(3階)の出窓から雨漏りしている」と、築20年の賃貸アパートのオーナーから相談を受けた。1年前に大規模な外壁塗装を実施したという。「雨漏り修理を塗装会社に相談したら、『築年数も経過しているので、大規模改修をしましょう。雨漏りも直りますよ』と提案された。しかし、改修後も雨漏りが続いており、困っている」とオーナーは言う。
建物は鉄骨造で、外壁にALCパネル、道路側の面にタイル張りを用いていた〔写真1〕。屋根は陸屋根でシート防水である。オーナーは、塗装会社に雨漏り修理を依頼するつもりはないということで、当社に雨漏りの原因調査と修理を依頼した。