パラペットと外壁の納まり付近で雨漏りが生じた事例だ。外装材を撤去すると、隅柱の太さが、小屋裏は105mm、2階は120mmと違っていた。120mm角部分では不陸調整下地が真っ黒に変色していた。(日経アーキテクチュア)
「築数年しかたっていないのに雨漏りした。工務店が倒産していて住宅瑕疵(かし)担保責任保険の範囲で雨漏りを修理してほしい」と住まい手から依頼があった。築5年の一部2階建て戸建て住宅だ。屋根は3方パラペットの片流れ屋根・金属鋼板の立平ぶき、外壁は窯業系サイディングだ〔写真1〕。雨漏りは、1階クローゼットで発生していた。
雨漏り箇所を確認すると、滴下する水が床で飛び散らないように集水するシートを住まい手が設置していた。強風雨でなくても頻繁に雨漏りするとのこと。こんな場合は、雨水を水平に受ける部分から漏水していることが多い。屋根に上がって、屋根とパラペット、パラペット笠木板金と外壁の取り合い部などを調査した。だが、異常はなかった。
次に外壁の隙間を探した。すると、外壁出隅部の役物とサイディング本体の縦目地シーリングに破断箇所があった。その目地に散水すると室内への漏水が確認できた〔写真2、3〕。散水した上方でもシーリングが切れていた。