2021年以降に完成する注目プロジェクトを紹介する。大規模開発の多くが完成に向かう一方で、「ポスト五輪」や「ウィズコロナ」対応の萌芽(ほうが)を感じさせる事例が相次ぐ。街との連動性の強化や、運用まで踏み込んだ環境配慮、既存改修もあり、今後もバリエーションに富んだ開発が続きそうだ。
プロジェクトデータの見方
オフィス、⼤規模再開発など
21年 大手町1-4-2計画(丸紅新本社ビル)
皇居を一望する最先端オフィス
丸紅本社の建て替え計画。免震構造を採用し、事業継続機能を高めた。アウトフレームの柱・梁に庇を積層して日射を遮蔽し、彫りの深い印象的な外観とする。執務空間は南側に位置する皇居の緑を一望できる広いワンフロア。低層部は飲食店、貸会議室、ギャラリーから成る文化交流機能の拠点とし、周辺への貢献も目指す。
21年 兜町7地区開発計画(KABUTO ONE)
“株式の街”兜町の新しい顔
日本橋兜町地区の再開発第1号。金融人材育成のための施設などを設け、“株式の街”兜町の発展の核とする。交差点に面したアトリウム内に株式情報などの大型表示装置を設け、兜町の新たなシンボルとする。茅場町駅に直結。再開発で周辺道路を拡幅する他、建物中央部には24時間歩行可能な通路を設けて歩行者交通の拡充を図る。
21年 横濱ゲートタワー
オフィスビルにプラネタリウム併設
横浜駅からの玄関口であり、横浜港へとつながる都市軸の起点に位置する。先進企業の集積と交流に寄与するオフィスを設ける。さらに、プラネタリウムを併設するなど、横浜の新たな名所となるアクティビティー空間も計画する。オフィスフロアは専有面積約2750m2を確保、特殊な用途へ対応できるフロアも設けた。外装には自然換気システムを導入した。