ぬれた躯体に対するクレームは雨の多い夏場に頻発する。「木材はぬれてはダメだ」と思い込んでいる建て主には丁寧な説明が必要だ。ぬれが軽微な段階での養生やぬれた後の乾燥も重要になる。(日経アーキテクチュア)
ある木造住宅の施工現場で、上の写真のように1階の床合板が雨でぬれて変色しているのを発見した。この現場の躯体組みは、1階の床下地を先行して施工していた。棟上げ前に雨が降ったことで、ビニール養生の継ぎ目から雨が入り込んだのだ。
床の合板が広範囲に変色した状況を見た建て主のA氏は、合板の交換を現場監督に要求。監督が会社に持ち帰り協議した結果、回答は乾けば問題ないので交換しないというものだった。その回答に納得できないA氏が私に相談してきた。
A氏は、躯体の木材をできるだけぬらさないようにしてほしいと、着工前から現場監督に要望していた。多少、ぬれることは覚悟していたが、ここまでひどくぬれることは想像していなかったようだ。
「木材はぬらしたらダメだ」と思い込んでいる建て主は多い。特に合板については、ぬれると「強度が低下する」「接着剤が剥がれる」、さらに「変色は腐朽だ」と疑う。