全2657文字
PR

公共建築物等木材利用促進法に改正の動きが出ている。法の名称から「公共」を外し、対象を民間に広げて木造化・木質化の政策誘導を図るもので、議員立法による法案作成が進む。日経アーキテクチュアは改正法骨子案を入手した。

 日経アーキテクチュアが入手した改正法の骨子案は、自民党内議員の約60人が参加する「森林(もり)を活かす都市(まち)の木造化推進議員連盟」(座長:吉野正芳衆議院議員)が2020年12月にまとめたものだ。

 今回の骨子案における最大のポイントは法律名称の変更だ。正式名称「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」から「公共」を外し、法の対象を改める。

 「公共建築物」という“主語”の代わりとなるのが、「地球温暖化防止などに貢献する建築物」といった文言だ。法の目的や趣旨を温暖化対策など近年のテーマに据える。菅義偉首相が20年10月に開会した臨時国会の所信表明演説でカーボンニュートラル宣言(2050年に二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指す政策目標)を打ち出しており、関連する新法が21年通常国会に提出される可能性もあるため、議連はその動向を見て足並みをそろえる意向だ。

 名称の改正には、民間分野に対象を広げる狙いがある。国や自治体と民間事業者などが改正法に基づく協定を締結、協定先に公的支援を実施して、建築物の木造化・木質化を加速させようというものだ〔図1〕。

〔図1〕法律名から「公共」外す
〔図1〕法律名から「公共」外す
森林を活かす都市の木造化推進議員連盟がまとめた改正法骨子案の概要。法の目的に脱炭素社会実現を掲げる(資料:森林を活かす都市の木造化推進議員連盟の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 骨子案には、関係各省を横断した「木材利用促進本部」を新たに立ち上げ、事業の推進力を強化するアイデアも盛り込まれた。従来、こうした行政組織は存在せず、各省庁は個別に施設整備における検討事項の1つとして取り扱っていた。