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環境デザインエンジニアとして活躍する荻原廣高氏。環境の在り方そのものから提案するアプローチは、建築家からの信頼も厚い。アラップで様々なプロジェクトに関わってきた同氏は、その成果を後進の育成に生かし始めた。

荻原 廣高 氏
荻原 廣高 氏
アラップ アソシエイト、神戸芸術工科大学准教授(写真:アラップ)
注:青字はアラップでの主な担当プロジェクト、赤字は資格取得
注:青字はアラップでの主な担当プロジェクト、赤字は資格取得
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 荻原廣高氏が、環境計画や設備設計に取り組むスタンスは独特だ。ある建築計画に対して、設備を付加していくアプローチではなく、その計画全体を俯瞰(ふかん)して、環境の在り方そのものから提案する。設備エンジニアというより、環境デザインエンジニアという呼び方が当てはまる。

 荻原氏がアラップに入社したのは2008年、33歳のときだ。以来、仙田満氏率いる環境デザイン研究所、谷尻誠氏らによるサポーズデザインオフィス、坂茂建築設計、伊東豊雄建築設計事務所、平田晃久建築設計事務所……といった、そうそうたる顔ぶれの設計事務所が設計する施設の環境デザインを担当した〔写真1〕。

 15年から約2年間勤務したアラップ・ロンドン事務所では、レンゾ・ピアノ氏をはじめ、世界的な建築家の仕事を支えた。現在、関わっているプロジェクトは、山本理顕設計工場が設計を手掛ける「名古屋造形大学新キャンパス」など、10以上という売れっ子ぶりだ。

〔写真1〕RC壁や開口を利用して快適環境を実現
〔写真1〕RC壁や開口を利用して快適環境を実現
MARU。architectureなどが設計を手掛けた大阪府松原市の「松原市民松原図書館」。600mm厚の鉄筋コンクリート造の耐震壁や開口を利用して、快適な温熱環境や光環境を生み出した(写真:生田 将人)
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