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コンクリート打設工事の終盤で重要になるのが残り打設数量の算出だ。計測時は、短時間で正確に算出することが求められる。大林組はAR(拡張現実)技術を活用した残り打設数量計測アプリを開発した。

 コンクリート工事の残り打設数量を計測して生コン工場に発注することは、建設会社の若手職員にとって「登竜門」となる重要な仕事だ。時間をかければ正確に打設数量を計測できるが、打ち込み作業を止めての計測は、待たせている作業員からのプレッシャーとの“闘い”になる。そこで大林組は、残り打設数量を1人で素早く計測できるアプリ「ピタコン」を開発した〔図1〕。

〔図1〕残り打設数量を自動で算出
〔図1〕残り打設数量を自動で算出
計測者はタブレットで打設面を撮影して頂点や底部などを設定するだけで、ピタコンが必要なコンクリート量などを算出する。従来は2人1組で時間をかけて測定していたが、ピタコンを用いれば1人で短時間に測定できる(写真と資料:大林組)
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 まず、計測者はタブレットで打設済みのコンクリート面を撮影し、基準面として設定する。次に、基準面に合わせて、これから打設する箇所の頂点や底部を指定する。すると、ピタコンが計測面の面積や深さなどを算出して、必要なコンクリート量をはじき出す。同社生産技術本部の谷田部勝博副部長は、「3分あれば7m角の範囲を測定できる」と説明する。

 ピタコンは、加速度センサーやレーザー画像検出と測距を行うLiDAR(ライダー)などを内蔵した米アップル社のARキットを活用。大林組と画像処理技術を中心とした事業を展開するエム・ソフト(東京都台東区)が共同開発したデータ処理システムを組み込んで、測定結果を瞬時に表示できるようにした。谷田部副部長は「短時間で正確に計測できるため、残コン量の削減にもつながる」と説明する。