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解体した建物の廃コンクリートとCO2を使って新たなコンクリートをつくるプロジェクトが進行中だ。ポルトランドセメントを用いず、水和反応さえ利用しない。最長10年に及ぶプロジェクトがスタートした。

 コンクリートの供試体のように見える円筒形の物体〔写真1〕。実は、直径10mm程度しかない。新素材「カルシウムカーボネートコンクリート」(以下CCC)だ。

〔写真1〕カルシウム溶液から析出した硬化体
〔写真1〕カルシウム溶液から析出した硬化体
CCC(カルシウムカーボネートコンクリート)製造のカギを握るのは、カルシウム溶液から炭酸カルシウムを生成することだ。写真の硬化体は、カルシウム溶液の温度を制御して析出させた(写真:東京大学)
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 CCCは、廃コンクリートとCO2を原料とする。「ポルトランドセメントを用いず、水和反応もしない。全く新しいコンクリートになる」。研究チームのプロジェクトマネジャーを務める東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の野口貴文教授は解説する。

 このプロジェクトは、内閣府が推進する破壊的イノベーションの創出を目指すムーンショット型研究開発事業に選ばれた。最長10年に及ぶ。東京大学と北海道大学が中心となり、建設会社やセメントメーカーと協力して推進する。テーマは、建設分野の炭酸カルシウム循環システムの研究開発。カギになる素材がCCCだ。