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太平洋セメントは、工場の排ガスに含まれるCO2を回収して再利用する技術を開発する。生コンやコンクリート製品のCO2排出量を今より少なくして、カーボンニュートラル社会でも受け入れられる材料にするための技術になる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した助成事業「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」に太平洋セメントの提案が採択された。セメント製造工程で排出されるCO2を再資源化し、セメント原料や建設資材として再利用する技術の開発だ〔図1写真1〕。事業期間は2020~21年度だ。

〔図1〕セメント工場から排出するCO2を4つの方法で活用
〔図1〕セメント工場から排出するCO<sub>2</sub>を4つの方法で活用
太平洋セメントが取り組む「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」の全体像。大きく2つのテーマからなる。①セメントキルン排ガスからのCO2分離・回収技術。②CO2有効利用技術。②はさらに4項目の取り組みを実施する(資料:太平洋セメント)
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〔写真1〕CO2の分離・回収技術は小規模実証試験を実施済み
〔写真1〕CO<sub>2</sub>の分離・回収技術は小規模実証試験を実施済み
セメントキルン排ガスからCO2を分離・回収する技術は、既に実績がある。三重県いなべ市にある同社藤原工場で、1日当たり20kgを回収している。今後、1日当たり10t程度の能力を有する設備による実証実験を計画している(写真:太平洋セメント)
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 CO2の有効利用については、4項目に取り組む〔図2〕。生コンやコンクリート製品、再生骨材など、様々な建設資材にCO2を固定化する。「CO2を回収する技術は進んできたが、それを活用する技術はまだ少ない。そこを開発していく」。同社中央研究所の上野直樹副所長は語る。

〔図2〕CO2の有効利用は生コン工場やコンクリート製品工場でも実施
〔図2〕CO<sub>2</sub>の有効利用は生コン工場やコンクリート製品工場でも実施
4つのCO2有効利用技術の概要を示した図。セメント工場に加えて、生コン工場やコンクリート製品工場も一体となってCO2の固定に取り組む(資料:太平洋セメント)
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