全2838文字
コロナ禍が長期化し、ビジネスの場が地域や住宅へと大きくシフトしている。東京の郊外でDIYショップを開く会社は、地域連携の一環として駐車場でマルシェ(市場)を開催。会社の認知度が向上し、住宅の改修工事の受注につながるなど、波及効果は大きい。
コロナ禍により、大きく変化した人々の行動様式。緊急事態宣言解除後もテレワークが定着したように新たなステージを迎えている。その中で自宅の空間をリノベーションしたり、これまであまり目を向けることのなかった地元のお店に行く頻度が増えたりしている。
このような変化を機敏に捉えてビジネスを展開していくことは重要だが、これまで都市部を中心に事業を行っていた経営者は、地域とのつながりを持つきっかけをつかめていないことが多い。
今回取り上げる施設は、本業としてビルメンテナンス業、リフォーム事業などを営む中で始めたDIYショップである。ここでの活動を中心に地域とのつながりをつくり、コロナ禍の中でむしろ業務を拡張させた。さらに、小さなマルシェを開催している。そこには出店者と地域の人たちのコミュニティーが形成され、出店者の間で新たなビジネスの話が生まれている〔写真1〕。
〔写真1〕DIY STORE 三鷹が開催する「秋のマルシェ」
市内の農家や紙芝居屋、近隣の造形作家、キッチンカーが集まりマルシェを年2回開催している。3回目の2021年11月3日には近隣からの多くの来場者で、にぎわいを見せた(写真:馬場 義徳、佐藤 将之、安富 啓)
[画像のクリックで拡大表示]
今後重要度が増す地域コミュニティーに入り込み、そこでのビジネスを広げていく挑戦を見ていこう。
白石 尚登氏 TLSグループ 代表取締役
しらいしなおと:1971年生まれ。東京都三鷹市出身。96年にビルメンテナンス事業をスタート、2003年にリフォーム事業に参入、12年にデザイン・エクステリア事業を本格始動。15年にDIY STORE 三鷹オープン、19年工作教室オープン、21年シェアレンタルスペース0100SPACEオープン(写真:馬場 義徳、佐藤 将之、安富 啓)
岸下 顕師氏 DIY STORE 三鷹 工作教室 TUQURO!代表
きししたけんし:1977年生まれ。奈良県出身。多摩美術大学油画科現代美術専攻卒業後、ディスプレーデザイン会社にてマネキン造形デザイナーとして12年間勤務。2015年造形工作デザイン工房[ARTHLETE DESIGN/アースリートデザイン]創業(写真:馬場 義徳、佐藤 将之、安富 啓)